身体表現性障害は5つの種類に分類される|原因解明が難しい病

身体の症状は実は心の病気

病室

身体表現性障害は、明確な原因が分からないのに強い身体症状や悩みに支配されるため本人はもちろんのこと、周囲の方々も大変困惑しやすい病気と言えます。病気の背景には本人も意識できないストレスが関わっていることが多く、治療では焦らずに協力しながら対処法を検討することが症状の改善に繋がります。

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長引く愁訴

相談

検査には異常がない

身体表現性障害とは、痛みやしびれ、吐き気など具体的な身体の症状があるにもかかわらず、その症状を説明できる検査結果や器質的な異常がみられないままに、症状が長期間に渡って持続する病気です。こうした病気は古くから知られており、ヒステリーや神経衰弱などとも形容されてきました。原因がなかなかわからないため、患者はいくつもの医療機関を渡り歩くことが珍しくありません。出現する症状の背後に精神的要因があることを患者が納得し、そうした治療を受け入れられるようになることが望ましいといえますが、そこにたどりつくまでに長い時間がかかることが多いようです。発症は30代以前であることが多く、男性よりは圧倒的に女性に多く見られます。症状は多岐に渡り、しばしば変化します。身体表現性障害に最もよく見られる症状に身体のあらゆる部位の痛みがあります。それ以外には、吐き気、嘔吐、下痢、お腹が張った感じ、げっぷなどの胃腸症状やふらつき、脱力感なども見られます。これらは患者が実際に感じている症状であり、虚偽の訴えをしているわけではありません。身体表現性障害は、現在使われている診断基準で次の五つの種類に分類されています。「身体化障害」は30歳以前に生じた身体的な症状がその後長く続きますが診察や検査をおこなっても原因となるような異常所見が見当たりません。「転換性障害」は立つ、歩く、話すといった随意運動機能に症状が出るもので、精神的ストレスが引き金となって現われることが多いようです。症状そのものは2週間程度でおさまりますが、再発しやすく、慢性化する場合もあります。「疼痛性障害」は訴えの中心が痛みです。その痛みを説明できる原因は見当たらないにもかかわらず強い痛みを訴えます。「心気症」は、自分が重篤な病に冒されているのではないかと強く思い込んでしまう状態です。「身体醜形障害」は自分の外見に著しい欠陥があると思い込む状態です。

精神的原因を自覚する

身体表現性障害の診断のためには、患者が訴える痛み等の原因となっている疾患が無いということを患者自身に納得してもらうことから始まります。そのために該当疾患の診療科である整形外科や内科など他の科を受診して、異常所見が無いことが前提です。ただし、精神疾患を合併することはあります。患者は長年症状に苦しみ続けていることから、異常所見が見られないことになかなか納得できないことがほとんどです。しかし、検査結果や臨床所見に基づかない治療をおこなっても治癒しないばかりか、症状が長引いてしまいます。患者自身に「このつらい状態をなんとか受け止めてほしい、わかってほしい」という切実な思いがありますから、治療する側は身体表現性障害患者のつらさを受容することがまず第一です。治療はそこから始まります。その上で病名、治療方針、疾病のこの後の予測などについてもできる限り説明します。精神科的治療としては、薬物療法、認知行動療法、精神療法が三つの柱になります。薬物療法には抗うつ薬、セロトニン・ノルアドレナリン再取り込み阻害薬(SNRI)などが用いられます。不安が強い場合は抗不安薬、睡眠障害に対しては睡眠導入薬も使われます。いずれにしても、薬物の効果は限定的であり、同時に認知行動療法によって症状が悪化しそうなきっかけや、症状を軽快させるものは何かを患者自身が把握できるようにします。それによって症状とつきあう方法がわかってきます。さらに精神療法では症状の原因となるストレスへの対処を相談することで症状のコントロールをはかります。いずれにしても治療には長い時間がかかります。特に患者自身が精神的な原因を受け入れられない場合は難治となることが多いようです。

異常なほど鋭敏になる病

下を向くレディー

身体表現性障害はあまり聴きなれない名前ではあるものの、その患者は増えてきているのが現状です。その症状は自分は重い病気にかかっているのではないかと思っているのに体の異常は見つからないもので、しかし辛い症状が現れてくるため不安を抱えてしまう精神病で、心療内科などで治療をするものです。

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自分の体を気にする病気

医師

欧米では認知行動療法が身体表現性障害の治療法として確立され、多く利用されています。ですが日本ではまだ認知行動療法は使用しているところはあるものの、多くはありません。ですがその効果の良さから、これから利用するところは増えてくるようになるかもしれません。

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